睡眠薬は薬屋さんやドラッグストアでも買えるの?
本物の睡眠薬は薬局以外では手に入りません
睡眠薬は、日本では、医師の出す処方箋を薬局にもって行かないと、買うことは出来ません。
じゃあ、町の薬屋さんやドラッグストアや、楽天等のインタネットショッピングモールで売られている『市販の睡眠薬』は?
市販されている睡眠薬は、「睡眠改善薬」とか「睡眠補助薬」と呼ばれるもので、医師が処方する睡眠薬とは成分が全く異なります。
ちなみに、薬局のカウンターにも本当の睡眠薬は置かれていませんよ。
最適な睡眠薬の選び方 & 睡眠薬の分類・比較 & 薬局とくすり屋さんの違い & 市販薬と処方薬の違い
睡眠薬と睡眠導入剤(睡眠改善薬)の違い
- 睡眠薬=処方箋医薬品:処方薬=病院に行き、医師の処方箋をもらわないと購入できません。
- 睡眠改善薬=市販薬(一般用医薬品)=処方箋が無くても、ドラッグストアや薬屋さんで買えます。
効果・作用の違い
- 睡眠薬⇒不眠症に使う
- ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、メラニン、オレキシンなど中枢神経の活動をコントロールすることで、眠気を誘導したり、覚醒を抑制します。
- 睡眠改善薬⇒「寝つきが悪い」、「眠りが浅い」といった一時的な不眠症状に使う
- 脳の覚醒状態を維持するヒスタミンの分泌を抑えることで眠気を誘う。抗ヒスタミン作用。
- 花粉症の薬の副作用は『眠気』ですが、同様に、抗ヒスタミン作用が原因です。
睡眠導入剤・睡眠改善薬・睡眠補助薬~市販薬の欠点・デメリット
睡眠改善薬とか睡眠補助薬とか呼ばれている『市販の睡眠薬』は、眠りやすくなる状態を作り出すための薬です。
病院で処方される、本物の睡眠薬とは違います。
不眠症を治療する薬ではないのです。
寝つきが良くなるというだけで、良質な睡眠をもたらす保証はない薬です。
『市販の睡眠薬』は、耐性が出来るのが早く、1回の使用でも、体に抵抗力がついてしまい、2日目からは中枢神経を抑えにくくなり、3日間連続で服用すると、睡眠効果はほとんどなくなります。
そのため、『市販の睡眠薬』のほとんどは、多くても6日分程度の内容量で売られています。
あくまで、一時的な”不眠症状”のために、応急的に使う薬なのです。
また、最初に買った『市販の睡眠薬』が効かなくなったからと、別の睡眠改善薬を試しても無駄です。
『市販の睡眠薬』の成分に対して、体に耐性ができてしまっているのですから、違うメーカーの違う名前の睡眠改善薬を服用しても結果は同じ訳です。
むしろ、中枢神経を麻痺させ続けることで、慢性的な倦怠感、集中力低下、判断能力の低下等の副作用が起こることもあり得ます。
連日服用する場合は、3日間を限度に服薬しましょう。
一時的な不眠ではなく、一週間以上も続くような不眠症や睡眠障害と診断された時は、『本当の睡眠薬』を使いましょう。
睡眠改善薬の成分
睡眠改善薬の成分は、ほとんどの場合、ジフェンヒドラミン塩酸塩です。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、花粉症の薬や風邪薬に含まれている抗ヒスタミン剤です。
花粉症のような抗アレルギー薬や風邪薬を飲むと、眠くなるのは、ジフェンヒドラミン塩酸塩の副作用なんですね。
ジフェンヒドラミン塩酸塩の効力・効き目
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、本来はアレルギー症状の緩和や乗り物酔い予防の薬として使われていました。
ジフェンヒドラミン塩酸塩を主成分とした睡眠導入薬のもたらす睡眠効果は、そもそもが薬の副作用を利用したものです。
あくまでも副作用の転用ですから、処方された睡眠薬のような効果は得られません。
また、1回の服用でも耐性が出来てしまい、2回目からは同じような効果が得られなくなることも多いのです。
ジフェンヒドラミン塩酸塩のような市販の睡眠導入薬は、日常的に使うものではなく、一時的な不眠にだけ有効なものだと覚えておきましょう。
不眠症や睡眠障害で悩んでいる方は、やはり、処方箋が必要な睡眠薬を利用することが望ましいのです。
ジフェンヒドラミン塩酸塩が成分の睡眠導入剤
ほかにもたくさんあると思いますが、
- ドリエルドリエルEX
- ネオディ
- ヨネール
- スリーピン
- プロリズム
- リポスミン
- ディトナデイトナS
- ドリーミオ
- カナコSP
- グ・スリーP
- カローミン
- マイレストS
- スリーペイド
- ハイヤスミンA
その他の睡眠改善薬
漢方薬や鎮静薬にも睡眠効果のある薬が売られています。
ウット
メインの成分がブロムワレリル尿素という、鎮静作用を持つ薬です。
風邪薬、頭痛薬などにも配合されているようです。
イララック
イララックは、睡眠改善薬ではなく、漢方鎮静剤です。
ストレスやイライラに効く鎮静効果が主で、眠気の作用もあるというものです。