デパスが個人輸入できなくなった!~3つの解決策とは
デパス(エチゾラム)の”向精神薬指定”と個人輸入禁止
抗不安薬として、常にダントツの処方数と売り上げを誇っていた『デパス:主成分エチゾラム』が、ついに”向精神薬”に指定されました。
抗不安薬から向精神薬に指定が変わったことによって、デパスの個人輸入は出来なくなりました。
正確には、
『デパスの主成分のエチゾラムが向精神薬に指定された』
ということです。
つまり、
エチゾラムを使った薬は、全て、個人輸入が出来ない
ことになります。
デパスの個人輸入禁止~理由と経緯
デパス(エチゾラム)は、日本国内で最も多く処方される抗不安薬(精神安定剤)として知られていました。
デパスは、インターネットを利用した個人輸入代行でも簡単に購入できていました。
厚生労働省は、かねてから、デパスの持つ二つの問題点
- 『ベンゾジアゼピン系の抗不安薬に特有の依存性の高さ』
- 『個人輸入による適切ではない服薬⇒デパスの乱用』
を懸念していました。
つまり、「デパスを止められない」という人達が、自己判断で適切な服用を行わず、依存・乱用につながってしまうことを問題視していたのです。
そして、デパスは向精神薬に指定され、個人輸入は禁止されました。
ちなみに、エチゾラム(デパス等)は、薬効分類上は、『精神安定剤=抗不安薬』なんですけどね・・・
デパスの個人輸入の代わりになる3つの方法
今まで、個人輸入でデパスを買っていた人が選ぶ道は3つあります。
- 病院でデパスを処方してもらう
- 海外に行ってデパスを買ってくる
- デパスの代わりになる薬を個人輸入する
病院でデパスを処方してもらう
デパスの投薬期間の上限を30日とすることが、平成28年11月1 日(火)より適用されています。
(平成28年10月13日付官報第6877号厚生労働省告示第365号)
つまり、
病院でデパスを処方してもらっても、30日分しか出してもらえないのです。
精神科・心療内科における診察料は、
- 初診が8820円
- 再診が4020円(200床以下の病院で、2回目の再診時は30分以下だった場合)
1日に3㎎使うと、30日では90㎎が必要です。
- 1錠0.5mg=9円⇒デパス30日分の費用は1620円
- 1錠1mg=15.6円⇒デパス30日分の費用は1404円
再診の場合でも、診察料や処方箋料を加えると、
デパス1㎎の値段は60円位になりますね。
1日に3㎎を服薬すると、デパスの1日分の費用は180円位になりますね。
海外に行ってデパスを買ってくる
向精神薬は、麻薬及び向精神薬取締法施行規則で定める分量の範囲内で、自己の疾病の治療の目的で携帯して輸出入することができます。
日本へ入国(又は日本から出国)する際に携帯して輸入(輸出)できるエチゾラム(デパス)の分量⇒90mg
つまり、海外に行ってデパスを買ったら、90㎎までなら国内に持ち込むことが出来ます。
一日に3㎎使うとして、30日分しか持ち込めないことになります。
飛行機代を加えると、デパス1錠あたりの単価は・・・(涙)
厚労省によるエチゾラム(デパス)の『向精神薬指定』
エチゾラム及びゾピクロンについては、現在国内で医薬品として流通している物質ですが、今後は、麻薬及び向精神薬取締法上の第三種向精神薬として規制を受けることになります。
向精神薬は、他人に譲り渡したり、他人に譲り渡す目的で所持したりすると麻薬及び向精神薬取締法により罰せられることになります。
厚生労働省・医薬・生活衛生局:監視指導・麻薬対策課
政令の施行日:平成28年10月14日(金)
向精神薬指定による制限・罰則
向精神薬指定を厚生労働省から受けると、「麻薬及び向精神薬取締法」の定めにより、個人輸入禁止となります。
違反をした場合は処罰の対象となります。
向精神薬指定を受けた薬は、海外旅行等の際に持ち込む量が制限されたり、病院で処方される際には、1回に14日分、30日分または90日分が限度という、上限設定が設けられることになります。
向精神薬とは
向精神薬とは、中枢神経系に作用する薬物の総称で、第一種向精神薬から第三種向精神薬までがあり、いずれも医師の処方箋が必要な処方薬です。
向精神薬は、依存性や乱用の恐れがあり精神機能に何らかの影響を与える可能性があるとして、輸出、輸入、製造、譲渡等が厳しく規制されています。