不眠症について
不眠症は代表的な睡眠障害です
不眠症は代表的な睡眠障害です
不眠の原因は、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々です。
眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。
不眠症の定義
不眠症の定義
- 入眠障害⇒夜になってもなかなか眠れない。寝つくのに2時間以上かかる
- 中間覚醒⇒一旦寝ついても夜中に目が覚めやすい。夜間に2回以上目が醒める
- 熟眠障害⇒朝起きた時に、ぐっすり眠った感じが得られない
- 早朝覚醒⇒朝は、予定よりも2時間以上早く、目が醒めてしまう
- 上記の1~4のいずれかの訴えが、週2回以上あり、かつ、1ヵ月間は持続すること。
- 不眠のために、自らが苦痛を感じるか、社会生活または職業的機能が妨げられること。
不眠症と診断されるには、以上の全てを満たすことが必要です。
不眠症の中で注意しなくてはならないものが、うつ病などの精神疾患の症状として出現する不眠です。
うつ病において典型的な不眠のパターンは、早朝覚醒、中途覚醒であり、一過性ではなく持続性のものです。
これらの不眠(および身体疾患により引き起こされた不眠)に対しては、原因となる疾患に対する治療が原則となります。
不眠症のタイプによる睡眠薬の選び方
不眠症のタイプによる睡眠薬の選び方
睡眠薬は、不眠症状のタイプに応じて、ふさわしい持続時間の薬剤を選択します。
不眠症を入眠困難型、睡眠維持障害型(中途覚醒、早朝覚醒)に分類した場合
- 入眠困難型⇒『眠るまでに苦労する』=作用時間が短い睡眠薬
- 睡眠維持障害型⇒『途中で目が覚めてしまう』、『早く目が覚めてしまう』=作用時間が長い睡眠薬
が推奨されています。
リズム異常を有する不眠症に対しては、メラトニン受容体作動薬が第一選択肢となります。
作用時間による睡眠薬の分類と選び方
作用時間による睡眠薬の分類と選び方
睡眠薬は作用時間の長さ(効果の持続時間)によって、4つのタイプに分かれます。
作用時間は、それぞれの睡眠薬の血中濃度半減期でおおよそ決まります。
- 血中濃度半減期が短い
- 超短時間作用型
- 短時間作用型
- 血中濃度半減期が長い
- 中間作用型
- 長時間作用型
『なかなか眠れなくて困っている』『とりあえず眠れるのだが、途中で目が覚めてしまって困っている』
- 入眠障害の場合⇒持続時間の短い超短時間型または短時間型
- 中途覚醒や早朝覚醒が主体の場合⇒一晩を通じて作用する程度の持続時間を持つ中間型
といったように使い分けます。
不眠症状別のふさわしい睡眠薬
睡眠薬の半減期の確認はこちらから・・・睡眠薬の分類・比較
不眠症の原因
- ストレスや精神疾患が原因の不眠
- 脳神経疾患(脳卒中、認知症、パーキンソン病など)を有する患者の不眠
- 認知症の不眠や昼夜逆転
- かゆみが原因の不眠
- 痛みによる不眠
- トイレが近いことによる不眠(頻尿)
- 更年期障害による不眠