抗コンフリクト作用

行動薬理学の動物実験で、条件付け行動による不安・恐怖の評価として、コンフリクト試験(conflict test)があり、ベンゾジアゼピン系抗不安薬などの作用評価に用いられる。

コンフリクト試験は、

    1. マウスをエサ箱と床に電撃がくる小部屋と、両者がない小部屋の2つの小部屋のあるケージに入れる。
    2. まずレバーを押すとエサが出ることを学習させ、次にブザーが鳴ると足元から電撃がくることを学習させる。
    3. ブザーを聞いて隣の小部屋に逃げ込めば電撃を避けることができる。
    4. エサを食べようとする時にブザーが鳴ると、マウスはエサを食べたいエサ取り行動と逃げないと電撃を受けるという葛藤(コンフリクト)に悩まされる。
    5. 正常マウスは電撃が嫌なのでエサ取りを止めて隣の部屋に逃げ込むが、ベンゾジアゼピン系薬をあらかじめ投与しておくと、マウスはブザーが鳴ってもエサ取り行動を継続するようになる。

この状態を抗コンフリクト作用(anti-conflict effect)が現れた状態といい、物怖じしない又は物事にとらわれない行動をとれるようになると解釈される