向精神薬・抗精神病薬・抗不安薬~『抗』と『向』の違い

『向精神薬:こうせいしんやく』と『抗精神病薬:こうせいしんびょうやく』

精神薬の場合は、”向”を、精神病薬の場合は、”抗”の文字を使います。

向精神薬の意味

『向』の文字が持つ意味

    • ある方にむかう⇒向上
    • 心がめざす⇒向学
    • おもむき⇒意向

精神に作用し、良くするので、

『向精神薬』が正解です。

「抗精神薬」としてしまうと、「精神自体に抗する」(精神をやっつける)ことになってしまいます。

ちなみに、「病」の一文字を追加して、「抗精神病薬」と書けば、正しくなります。

(「抗精神病薬」は、実際に用いられる術語です。)

向精神薬(抗精神病薬)の作用

    • 幻聴や幻視などの幻覚を減らす
    • 妄想を軽減する
    • 興奮しやすい状態を改善する
    • 考えをまとめる力を取り戻す
    • 意欲を高める

主な向精神薬(抗精神病薬)

    • セロクエル(クエチアピン)
  • リスパダール(リスペリドン)
    • ルーラン(ペロスピロン) 非定型
    • ジプレキサ(オランザピン)
    • エビリファイ(アリピプラゾール)
    • セトウス(ゾテピン)
    • コントミン(クロクプロマジン)
    • レボトミン(レボメプロマジン) 定型
    • リントン(ハロペリドール)
    • ベゲタミン A,B③

抗不安薬・抗うつ薬の意味

『抗』の文字が持つ意味

    • 張り合う⇒対抗
    • 手向かう⇒抗戦
    • さからう⇒抗議

不安や病気や症状を、「やっつける」ので、

『抗不安薬』や『抗うつ薬』が正解です。

抗不安薬の作用

    • 不安を抑える
    • 緊張をやわらげる
    • 気持ちをやわらげる
    • 心配な気持ちを改善する
    • 筋肉の緊張をやわらげる

主な抗不安薬

抗うつ薬の作用

    • うつの気分を改善する
    • 意欲を高める

主な抗うつ薬