非定型抗精神病薬の処方ランキング

最も処方頻度の高い非定型抗精神病薬

日本で一番使われている非定型抗精神病薬は、リスぺドン(商品名:リスパダール他)です。

インターネット通販で買えるリスパダール

医師によるインターネットコミュニティのアンケートでも、厚生労働省の調査でも、リスパダールが首位でした。

ただし、リスペリドンは、第1回調査や第2回調査でもシェアはトップでしたが、57.0%→52.7%→45.3%と回を追うごとに漸減しています。

反対に、シェアを拡大しているのは、2位のクエチアピン(セロクエル他)と3位のアリピプラゾール(エビリファイ他)です。

クエチアピンは19.0%→20.0%→24.7%、アリピプラゾールは8.3%→9.4%→15.4%と、それぞれ少しずつ支持を増やし続けています。

なお、リスペリドン経口薬は、第1回調査や第2回調査でもシェアはトップだったが、そのシェアは57.0%→52.7%→45.3%と回を追うごとに漸減している。

最もよく処方する非定型抗精神病薬睡眠薬~日経メディカル Onlineの医師会員によるネットアンケート

調査概要:日経メディカル Online の医師会員を対象にウェブアンケートを実施

期間:2017年11月23日~29日

有効回答数:3663人(処方経験のない1406人を除いて作成)

内訳:

    • 病院勤務医=2589人
    • 診療所勤務医=462人
    • 開業医=535人
    • その他=77人

日経メディカル Onlineの医師会員を対象に、非定型抗精神病薬のうち最も処方頻度の高いものを聞いたところ、45.3%の医師がリスペリドン経口薬(商品名リスパダール他)と回答した。

第2位のクエチアピン(セロクエル他)は24.7%、第3位のアリピプラゾール(エビリファイ他)は15.4%、第4位のオランザピン(ジプレキサ)は10.7%の医師が、最も処方頻度の多い薬剤として選んだ。

非定型抗精神病薬: 1位リスペリドン、2位クエチアピンは変わらず 、アリピプラゾールのシェアが漸増

グラフには示していないが、5位以下の薬剤とシェアは以下の通り。

・ブロナンセリン(ロナセン) 1.3%

・クエチアピン徐放錠(ビプレッソ) 0.7%

・ペロスピロン(ルーラン他) 0.5%

・クロザピン(クロザリル) 0.4%

・パリペリドン徐放錠(インヴェガ) 0.4%

・シクレスト(アセナピン) 0.4%

・パリペリドン(ゼプリオン) 0.2%

第1位の リスペリドン経口薬 を処方する理由

(商品名リスパダール他)

・陽性症状に対してシャープに効く。代謝系の副作用が少ない。EPSが出るならアキネトンを併用。(40歳代病院勤務医、精神科)

・集中治療室で勤務しているのでせん妄に対して推奨されているリスペリドンを使用することが多い(50歳代病院勤務医、循環器内科)

・リスパダールは細かい用量設定がしやすく、剤型も錠剤、OD錠、液剤、デポ剤と豊富なので使いやすいと感じている。ただし、高プロラクチン血症や錐体外路症状などの副作用もよく経験するので、リスパダールの長所がそのままで短所が少ない薬があればいいなと思います。(40歳代診療所勤務医、精神科)

・拒薬する場合、味噌汁に混入できる。(30歳代病院勤務医、一般内科)

・専門でないのであまり使わないが、当直中の不穏に液剤を使っている。液なら調節しやすい。(50歳代病院勤務医、神経内科)

・リスペリドンは錐体外路系の副作用が出やすいが、患者を選ばず使えるのでスタンダードな治療薬となっている。糖尿病のリスクや肥満の問題がない場合にはオランザピンをよく使うが、トータルではわずかにリスペリドンの方が多い。エビリファイはうまく合うこともあるがハズレが多いのが難点。ブロナンセリンは副作用の少なさを謳っているが効果が弱い。(50歳代病院勤務医、精神科)

・認知症周辺症状の強い患者によく用いている。介護者の負担が減るが、患者の転倒リスクは増えそうだ。(50歳代病院勤務医、麻酔科)

・錠剤、液剤などに加えて、注射剤もあり、幅広い状況で使用することができる。ハロペリドールなどと比べて錐体外路症状などの副作用も少なく、効果も劣らない印象を持っており、急性期診療では欠かせない薬剤と思う。(50歳代病院勤務医、救急科)

・内科医の立場なので、なるべく処方しない方針であるが、高齢者療養施設の外勤で、夜間せん妄で手が付けられないよう場合に、0.5mg~1mgを投与している。効果はあるが、過鎮静、便秘、錐体外路症状などは決して少なくないので注意が必要。(50歳代診療所勤務医、一般内科)