力価(りきか)とは

力価と有効性

薬の効果は、力価(効き目の強さ)と有効性(効力)から判定することができます。

力価とは

力価とは、痛みの緩和や血圧の降下といった効果を発揮するのに必要な薬の量(通常はミリグラムで表記)を指します。

少量でも薬の効き目が強い場合は、高力価といいます。

つまり、高力価薬は少量でも効果が高い薬ということです。

逆に、少量では薬の効き目が弱い場合は、低力価といいます。

つまり、低力価薬は多量に使わないと効果が弱い薬ということです。

例えば

薬Aが10mg(ミリグラム)で1mg(ミリグラム)の薬Bと同じくらいの効果が出る場合、薬Bは薬Aの10倍の力価があるということになります。

たとえば、5ミリグラムの薬Aが10ミリグラムの薬Bと同じくらい効果的に痛みを緩和したとすると、薬Aは薬Bの2倍の力価があるということになります。

体重50kgの人の体温を1度下げるために必要な解熱薬の量で考えて見ましょう。

必要量が

解熱薬A=10mg

解熱薬B=20mg

解熱薬C=5mg

の場合、

体重50kgの人の体温を1度下げる事を1単位とすると、

解熱薬A⇒10mg=1単位

解熱薬B⇒20mg=1単位

解熱薬C⇒ 5mg=1単位

となります。

これを、どれも10mgに置き換えると(力価換算)

解熱薬A⇒10mg=1単位

解熱薬B⇒10mg=0.5単位

解熱薬C⇒10mg=2単位

つまり、

「A,B.C共に同じ10mg処方された場合、

Aは1単位だけどBは0.5単位しかなくAの半分しか効き目が無い。

Cは2単位でAの2倍効き目がある。

有効性とは

有効性とは、薬が起こす可能性のある最大の治療反応を指します。

たとえば、利尿薬フロセミドは利尿薬クロロチアジドよりもはるかに多くの塩分と水分を尿中に排泄します。

したがって、フロセミドはクロロチアジドよりも有効性が高いということになります。

しかしながら、力価または有効性が大きいからといって、その薬の方が必ずしも別の薬よりも優れているということにはなりません。

医師は、ある患者において薬のメリットを比べて判断する際、副作用や潜在的毒性、効果の持続時間(1日に必要な投与回数を左右する)、コストなどさまざまな因子を考慮します。