非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の比較~アモバン・マイスリー・ルネスタ

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は3種類です

    1. アモバン=ゾピクロン(成分名)
    2. マイスリー=ゾルピデム(成分名)
    3. ルネスタ=エスゾピクロン(成分名)

非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、日本では3種類が発売されています。

海外では、ソナタ(ザレプロン)という睡眠薬も販売されています。

ルネスタはアモバンの睡眠効果の成分だけを取り出した薬です。

ルネスタとアモバンの徹底比較

非ベンゾジアゼピン系睡眠薬の特徴

    • ベンゾジアゼピン系の睡眠薬に比べ、筋弛緩作用が弱いので、ふらついたり転倒したりという危険が少なく、高齢者にも使いやすい
    • 効き目が早いので、中途覚醒よりは入眠障害に向いている。
    • 深くて良質な睡眠をとれやすい
    • 翌朝の眠気の持ちこし、頭痛、睡眠時の異常行動などの副作用リスクが低い
    • 健忘(記憶があいまいになる)や味覚異常が起こることがある
    • 依存性や耐性が付きにくい
    • 抗不安作用が少ないため、不安やストレスが原因の睡眠障害では、効果を感じにくいことがある

ベンゾジアゼピン系と非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の違い

インターネット通販で買えるアモバン

インターネット通販で買えるマイスリー

インターネット通販で買えるルネスタ

ベンゾジアゼピン受容体のω1に対する選択性が高いほど、純粋に睡眠効果だけを得られます。

強さの比較

睡眠薬の強さは使う量に左右されます。

等価換算値から比較すると、

アモバンの7.5㎎=マイスリーの10㎎=ルネスタの5㎎が同等の力があることになります。

睡眠効果発現の速さ~どれだけ早く眠くなるか?

効き目の早さは、最高血中濃度到達時間(Tmax)で判断できます。

マイスリー>アモバン≒ルネスタ

マイスリーが一番早く眠くなり、アモバンとルネスタはほぼ同じ時間になります。

そもそも、アモバンとルネスタは兄弟の関係になる薬ですから、当たり前とも言えますが・・・

睡眠効果が持続する時間~どれだけ長く薬が効いているか?

睡眠効果の持続時間は、血中濃度半減期(消失半減期)で判断します。

半減期とは、薬の血中濃度が半分になるまでにかかる時間のことです。

半減期に達する時間が短いほど、薬が身体からすぐに抜けていってしまうことになります。

半減期によって、睡眠薬の作用時間が予測できます。

ルネスタ>アモバン>マイスリーの順になります。

抜けの速さ

マイスリーもアモバン、ルネスタと同様に「超短時間型」の睡眠薬で、早く効き、体内に長くとどまらないタイプです。

そのため、なかなか寝付けないタイプの人に向いています。

マイスリーは速やかに効果が出現し、眠くなる切れの良い薬なのですが、一方で半減期が約2時間と効果の持続時間がとても短いという特徴があります。

この効果がすぐに切れるという点がデメリットで、早く寝ないと効果が切れてしまうというプレッシャーを感じながら眠りにつくことがあります。

一方でルネスタの場合、半減期が約5時間ありますので、マイスリーの倍くらい効果が持続してくれます。

そのため、早く眠らなきゃというプレッシャーを感じることなく眠ることができるのがルネスタの大きなメリットです。

薬価の比較

処方日数制限(投与日数制限)

向精神薬に指定されている薬には、投与制限があるので、病院やクリニックで処方してもらう時に、無制限にたくさん出してもらうことができません。

個人輸入は出来るのか?

マイスリーとアモバンは『向精神薬指定』されているので、個人輸入はできません。

個人輸入が許されているのは、ルネスタだけです。

インターネット通販で買えるルネスタ

主な副作用の違い

アモバン(ゾピクロン) マイスリー(ゾルピデム) ルネスタ(エスゾピクロン)

副作用1 苦み(4.18%) ふらつき(4.0%) 味覚異常(21.0%)

副作用2 ふらつき(0.89%) 眠気(3.4%) 頭痛(10.7%)

副作用3 眠気(0.51%) 頭痛(2.8%) 傾眠(7.8%)

副作用4 口渇(0.48%) 倦怠感(2.8%) 浮動性めまい(5.1%)

副作用合計 831例(7.12%) 190 例(17.2%) 819 例(50.0%)

アモバンやルネスタの苦味がどうしても気になるという人には、同じ非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬として、マイスリー(ゾルピデム)があります。

作用はアモバン、ルネスタと同じで、脳内のGABA-A受容体に結合し、GABA(γ–アミノ酪酸)の働きを強めます。

アモバン(ゾピクロン)はマイスリー(ゾルピデム)より眠れるが、苦みのため起きる、朝まで苦いのが嫌という意見が多いです。

ルネスタの特徴をまとめると以下のようになります。

効果の切れが良く、入眠障害に適した睡眠薬

睡眠薬の中では新しい部類に入る

アモバンの改良版で、副作用が軽減されている

苦味はアモバンより軽減されたものの依然としたある程度残っている

超短期時間型の睡眠薬の中では作用時間は長く、早く寝なきゃというプレッシャーを感じないで使える

個人的には、現在のところ入眠に特化した睡眠薬としては、このルネスタが一番いいのではないかと思っています。