「時間メタファーにおける評価性」要旨

「時間メタファーにおける評価性」

鈴木幸平(関西看護医療大学)

Suzuki (2015; to appear) は、日本語の時間メタファーの二重性(Moving Time, Moving Ego) について、日本語ではMoving Timeメタファーの方がMoving Egoメタファーよりも頻度が高いことを明らかにしている。これらの研究では、限られた時間名詞と時間メタファーの共起関係をもとに考察が行われていたが、時間に関するイベントには、「クリスマス」のように多くの人が肯定的に捉えるものと、「葬式」のように多くの人が否定的に捉えるものがある。本研究では、鍋島 (2011)の「評価性」を時間メタファーの分析に適用し、「肯定的なイベントにはMoving Egoメタファーが、否定的なイベントにはMoving Timeメタファーが多く使われる」か明らかにすることを目的とする。

発表者紹介

鈴木幸平(すずき・こうへい)。関西看護医療大学講師。専門は認知言語学、メタファー、EMP。主な論文に "Duality in temporal metaphor: An investigation of Japanese" (KLS, to appear), "Gaps and Similarities between Medical Teachers’ Expectancies and Students’ Needs on Four Skills, Used Situations, and Proficiency of English" (JACET Kansai Journal, 17)など。