「脳科学とメタファー」要旨

「脳科学とメタファー

―身体性研究がいかにLakoff & Johnson(1980)の予見を実質化したか―」

鍋島弘治朗(関西大学)

認知言語学におけるメタファー研究の発端となったLakoff & Johnson (1980)は、脳測定技術の発展とともに注目を浴びる、身体性(Embodiment)、状況認知(Situated cognition)、シミュレーションなどをキーワードとした身体性認知科学の予兆でもあった。本発表では、脳の構造と仕組みを概説したのち、身体性科学に至る主要な研究を拾いながらその流れを提示する。さらに、脳科学の知見がLakoffらやLangacker(2008)といかに整合的に全体像を形成するかを議論する。

講師紹介

鍋島弘治朗(なべしま・こうじろう)関西大学教授。専門は認知言語学、メタファー。現在の関心は状況認知と身体性。主著に『日本語のメタファー』(2011 くろしお出版)。