「日本語Moving Observer型メタファー」要旨

「日本語Moving Observer型メタファーの適切性と表現性について」

大神雄一郎(大阪大学[院])

先行研究には、日本語のMoving Observer型メタファーについて「不適切な表現である」とする指摘がしばしば認められる。本発表では「Xに近づく」の形式による日本語時間表現を主な考察対象に、コーパス分析やアンケート調査の結果に基づいて、日本語Moving Observer型メタファーの実在性と適切性を主張したうえで、空間移動に関する日本語表現との対照を通じ、その表現性について見通しを提示する。

発表者紹介

大神雄一郎(おおがみ ゆういちろう)。日本学術振興会特別研究員/大阪大学。認知言語学、語用論などの分野で活動。主要論文『「スカートが短くなる」とき―「XがYくなる」構文の多義とその認知基盤―』(2015, 認知言語学研究 第1号)など。