「語りの構造とメタファー」要旨

「語りの構造とメタファー ―身体表象に見る語りの諸相―」

片岡邦好(愛知大学)

メタファーは日常表現に充満するものの、語りの構造との関連について言及されることは少ない。そこで本発表では、記号論的観点から語りの構造と密接にかかわる「身体表象」に着目し(e.g. McNeill 1992)、それが(1)概念の「置き換え」のみならず、(2)談話構造を比喩的に投影する記号であること、さらに(3)異なる言語話者が同一現象を異なるジェスチャーよって描写することで文化差の指標となることを述べる。

講師紹介

片岡邦好(かたおか・くによし) 愛知大学教授。言語人類学、談話分析。ナラトロジー、マルチモーダル分析などその研究手法は多岐にわたる。『コミュニケーション能力の諸相』(2013, 共著、ひつじ書房)など著書多数、社会言語科学会理事。