2-4 古民家

2-4 古民家


   旧松沢家住宅はかつて養蚕を行っており、この部屋の屋根裏には蚕用のいろりが2か所ありました。

  この家の屋根は萱(ススキやアシなど屋根の材料とする植物の総称)でできています。かつて屋根の材料として使われたのは、萱のほか、藁など長細く乾燥してもぼろぼろなりにくい材料です。雨漏りもしないように屋根の長細い茎や葉を伝いながら先端まで滴が伝いながら部屋の畳に落下する前に軒先まで到達して地面に落ちる仕組みです。

  このため萱葺き屋根には適度な傾斜と厚みが必要になります。雪が多い地帯になるほど、屋根の角度や厚みが必要となり、屋根を支える柱も太くなりました。横浜辺りの家では一般的には40度程度の傾き、2尺程度の厚みが必要とされました。

  また、昔の家には囲炉裏がありましたので、毎日屋根は煙で燻されます。これにより、防虫及び乾燥が促され、腐りにくくなっています。

  しかし草ですので、2025年程度葺き替えは必要となります。かつて萱は村全体で育成・管理され、村人全員で順番に個々の家の葺き替え行っていました。


旧松沢家住宅

囲炉裏

白川郷