2-2 農具と工夫

2-2 農具と工夫


  古代から農作業の動力として東日本は馬、西日本は牛を家畜として飼っていました。その要因として挙げられるのは、水気・粘土性が少ない火山灰の土壌である東日本では早く動ける馬を、ぬかるみの多い西日本の土壌ではゆっくりでも力強く動ける牛を用いたのではないかと考えられます。しかし、昭和30年以降機械化が進むまで、馬や牛を使っていました。次第に使用されなくなりました。

 使用されていた農具では次のものがあります。刃先が数本に分かれた股鍬のうち土の深くまで刃先が入り、土もまとまりにくい備中鍬。刃先部分が鋸の歯のようになった鎌の鋸鎌、農作業や土木作業で地面を掘ったり耕したりする鋤。小麦栽培で溝から土をすくって畝へ土をかぶせる土入れ鍬。米の脱穀用具の千歯こき。田植え前、田園の土を平らにならす馬鍬(まぐわ・まんが)。人力でならした稲の生育をそろえるための柄振(えぶり)。大正時代にペダルを使ってループ状のピンが多数植え込まれた回転ドラム回転させて脱穀する足踏み式脱穀機などが挙げられます。


備中鍬

千歯こき

足踏み脱穀機