行気法

 行気

 

行気、というのは

自分自身の体の何処か一点に

気を集注させて、身体の調整能力を亢めてゆく

ことです。

気を集める、という事がどういう感じか、

どうすれば良いのかまず、分からないという

事があるのですが、これは始めに

その部分に意識的に集中してみるとその部分

を感じられるか、どうかという事で、

気が集まるか集めにくいか、すぐに分かり

ます。


行気の目的が、気の鬱滞した処、鈍った処の

感覚と働きを改善することにあるので、直ぐ

に集中できないその部分にいかに集注して

ゆくかという処に多少の習熟と工夫と面白さ

があるのです。

気は集注し、その動きが引き起こされると、

ある種の温感だったり冷感だったり、

ピリピリした感じやちょっとした痛覚や重さ

だったりの体感覚を感じます。

その感覚が、集注している部分と別の処に

現われ、それらの感覚が次々移り変わって、

現われては消える、現われては消えるして、

集注してる部分の感覚がその都度、亢まり

変化してゆく過程を経てゆきます。

普段、意識では感じ得ない、

いわば身体巡りの旅をするような感じなの

です。




◯合掌行気


合掌行気は、手のひら(掌)の感覚を

亢めるための訓練法として、野口整体では、

愉気の入門としてまず行なう行法です。


掌は愉気や操法の場合、直接に相手

(受け手)との接点となる唯一の部位で

あり、感覚を最初に受け取る受信器部分と

考えられます。


本来は、気のやり取りは身体全体で双方

に感受し合っているものなのですが、気の

集注箇処として、非常に重要なジョイント

部分としての役割を担っているともいえます。


合掌行気は、掌に気を集注させる道筋や

過程を訓練することにより、手を使うこと

が身体全体を用いることでもあり、感覚は

全体に広がってゆくものであることを、学ばせ

体感覚として掴ませるためのものであると

考えられるのです。



   

◆合掌行気のやり方


基本的な体位は、正座にて手のひらを胸の

前あたりで合わせた状態で行ないます。  


合掌行気法

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①座位にて、手のひらを少し離した状態で

胸から顔の前あたりまでの範囲で腕を上下

して、肩、首等の力みが抜ける高さを探し

ます。

※背側の腰の反りが自然に生まれる位置で

もあります。


②上胸部の力みが抜け、腰に重心が落ち

着き、鳩尾の緊張が抜ける手の高さの位置

が決まったら、その位置で、少し離した

両手の掌の間に息を静かにゆっくりと吹き

かけます。


③しだいに離した手のひら同士が近づきあっ

て来ますので、軽く合わさるか、手の何処か

一部でも触れたら、意識的に合わせ、合掌

いたします。


④基本は指先から息を吸い込み、手のひら

の掌(たなごころ)から手首あたりまで

吸い込んでしばらく溜め、指先から呼い

てゆく、、。

ということを繰り返します。


⑤通常は、10分、20分、30分くらい

は、この状態で一回の行気としての時間を

当てます。


⑥気の集注密度が亢まってくるに従い、手

のひらに、さまざまな感覚が起こります。

ビリビリした感じ、熱くなる感じ、もぞもぞ

した感じ、ほあほあと湯気が上がるような

感じ,、,等

いずれも気が集注することによって、引き

起こされる感覚です。


⑦行気を終えるには、「止めの呼吸法」

※活元運動の項参照

深息法にて「うーむ」と吸い込んで止めた

状態で目を片目づつ開け、手のひらを離し、

膝に置いた状態で息を静かに呼いて終えるのがよいです。



       

合掌行気は、練習を積むことにより体感覚

として能力が亢まります。

練習法として、段階的に指先から肘まで

吸い込んでみるであるとか、肩までで

あるとか、そのまま頸椎と胸椎の繋がり目

まで吸い込み、脊椎に下ろしていくである

とか、、、

だんだんと気の通路を長く伸ばしていき

ます。

一息でそれらを行ないますから、息の長さ

も修練されてゆくのです。

  

上記の動画では、

ひと指ごとに気を通しています。

ひと指行気を行ないながら、身体のどこの

部位に自然に気が集注しているか観察して

いるのです。


行気、愉気と云うのは、気の集注が亢まる

につれて意識的に集注させている部分とは

別の部位に、自然に気が連動するように

集まってくるのです。

自然集注と言い、その自然集注こそ行気法

の要点なのです






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