口頭発表


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A4-4:DNAの構造を題材とした配信に向けたX線回折像シミュレーターの開発

品切 桂1生命 燐2
1.VirtualFermiSea
2.生命 燐-Inochi Rin-生命科学ちゃんねる
Keyword:DNA、X線回析、シミュレーション

デオキシリボ核酸(DNA)は生物において遺伝情報を担う物質である。その構造の解明は生命を理解する上で重要となる。このような分子構造を解き明かす手法として物理学の知見に基づくX線回折法があり、歴史的にもDNAの構造決定に大きな役割を果たしたことが知られている。著者らはこの題材が現代科学への理解と興味を広げるものと考え、DNAの二重らせん構造とX線回折像との関係をわかりやすく解説することを目的としたライブ動画配信を行った。本発表では、ライブ配信の双方向性を十分に生かせるツールとして構想し開発したX線回折像シミュレーターと、その配信での利用について報告する

A5-7:VR内で撮られた映像に見えない情報を埋め込む〜ステガノグラフィーのシェーダ実装〜

こくたん
Keyword:ステガノグラフィー、電子透かし、シェーダ、離散コサイン変換

VR内で撮られた写真や動画などの映像になんらかの情報を埋め込みたい需要がある。例えば、写っているユーザーの名前がわかれば映像を共有する際や肖像権確認の際に有用であり、使用されているアバターやその作者名がわかれば販売促進や著作権保護が可能となる。また、機械学習で用いる教師データやアノテーションデータを埋め込むことができれば、教師データ作成のコストを減らすことができる。本研究では、映像に対する典型的なステガノグラフィーアルゴリズムをシェーダ上に実装し、ステガノグラフィー技術がVR世界にも適用可能であることを示す。また、この技術をVR世界における基盤技術へ成熟させるために解決すべき課題について論ずる。

7_紹介動画.mp4

B6-8:座位静止姿勢におけるアバタ提示が歩行感覚へ与える効果

中村純也1
1.豊橋技術科学大学
Keyword:歩行、アバター、触覚

座った姿勢の静止観察者に対して,歩行時の視点揺れオプティックフローを含む映像と足の接地に同期した足裏振動を提示することで,バーチャル歩行感覚を誘発できる。また,人は代理身体(アバター)と自身の身体動作が視覚と運動で同期した際に,アバタが自身の身体であると錯覚することが知られている。本研究では,視覚情報として自分自身のアバタの提示を行い,歩行感覚が強化されるかを調べた。足裏振動を提示し,アバタ提示と足裏振動の相互作用についても調べた。その結果,全身あるいは手足のみアバタを提示することで,歩行感覚,脚運動感,臨場感が増強されたが,自己移動感には影響がなかった。この効果は手足のみよりも全身アバタで強く,足裏振動条件に関わらず見られた。したがって,座位静止観察者に対し,姿勢が異なっていても歩行するアバタを視覚提示することで,歩行感覚や能動的運動感を増強できることが示唆された。

A3-11:1940年代までのトライボロジー(摩擦・摩耗・潤滑)研究に関する調査

hinoride(ヒノリデ)1
1.VRC理系集会
Keyword:
摩擦、摩耗、潤滑、トライボロジー

材料の摩擦・摩耗・潤滑に関する研究分野に「トライボロジー」がある。「トライボロジー」という言葉自体は1960年代に提唱された言葉であるが、トライボロジーに関する研究はそれより前から盛んに行われてきた。一方でトライボロジー提唱前の研究がどのように行われていたかを整理した報告は調べた限りではなく、このままでは過去の先人たちの功績が消えてしまう懸念がある。そこで、過去のトライボロジー研究について把握し、過去の研究から参考となる知見を得ることを目的として、1943年に日本で発行された「磨耗試験」という書籍の内容を調査する。主に摩耗試験機・摩擦および摩耗についての機構・鋼の摩耗の3点で整理することで、1940年代までのトライボロジーに関する研究について把握する。さらに整理した点それぞれについて、現在のトライボロジー研究との比較も行う予定である。

11_紹介動画.mp4

A2-14:複合現実アプリケーションにおける BCPDを用いた空間位置合わせシステムの提案

斎藤 裕佑1
1.株式会社ホロラボ
Keyword:複合現実,MR,空間レジストリ

現実空間とコンテンツを含むバーチャル空間を正確に重畳することは、複合現実(Mixed Reality, 以下MR)アプリケーションにおけるユーザー体験にとって重要である。ここで、テクスチャに依存しない空間形状を用いることで、設計されたモデル形状そのままを用いて、ユーザーが意識せずに空間位置合わせを行うことが出来る可能性がある。そこで本研究では、点群位置合わせ手法の一つであり精度とともに計算効率がよいことで知られるBayesian Coherent Point Drift(BCPD)を用いた空間位置合わせシステムを提案する。過去の現実空間の形状と、アプリケーション実行時である現在の現実空間の形状の二つの形状間の姿勢の変換行列をBCPDによって算出し、アプリケーション実行時にバーチャル空間に適用することで、現実空間へのバーチャルコンテンツの重畳を行う。

B5-15:ソーシャルV R国勢調査 2021

Liudmila Bredikhina1、バーチャル美少女ねむ1
1.VTuber研究ユニット「Nem x Mila」
Keyword:VR、アバターコミュニケーション、ファントムセンス

高い匿名性により明らかになりづらかったメタバースでのユニークな生活実態を明らかにするため、全世界のソーシャルVR ユーザーを対象に実施した大規模アンケートの回答約 1,200 件を分析しレポートを公開した。 VR HMD を用いて直近1年以内に5回以上ソーシャル VR を利用した英語もしくは日本語話者を対象とした。

15_紹介動画.mp4

B6-16:ファントムセンス(VR感覚)の実態調査

バーチャル美少女ねむ1、Liudmila Bredikhina1
1.VTuber研究ユニット「Nem x Mila」
Keyword:VR、アバターコミュニケーション、ファントムセンス

本来視聴覚しか再現されないはずの VR 体験中に擬似的に他の感覚を得る現象「ファントムセンス(VR 感覚)」について、大規模アンケートの回答約 1,200 件を分析し、その実態を調査した。

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B5-17:アバターの“嗜好品性” -アバターは嗜好品たりうるか?-

白石 祥之1、近藤 涼香1、林 大輔1、志方 比呂基1
1.日本たばこ産業株式会社
Keyword:アバター、嗜好品、心理学、認知科学

飲酒によってコミュニケーションが円滑になる、喫茶によってホッと一息つく、大人な気分になれるなど、嗜好品が人々の心理や行動に効果を及ぼすことはよく知られている。このような嗜好品的効果は、バーチャル空間(e.g. cluster, VRChat)でのアバターを用いたコミュニケーションにおいても得られることを示唆する個人の主観報告が存在する(cf. あまおか, ねむ)。アバターを用いたコミュニケーションでは、実世界ではできないほどの自己の表現・開放による多元的な自己の経験・表現(c.f. 朴, 2017)、コミュニケーションの促進要因(e.g. かわいい, てぇてぇ)が得られ、これらが嗜好品的効果につながると考えられる。本発表ではこのような仮説の提示を通じて、参加者の皆様とバーチャル空間やアバターの持つ”嗜好品性”について議論したい。

B3-19:VN3ライセンスの提供から考える、アバター等の3Dモデル流通に最適な規約の検討及びその影響

あしやまひろこ1、VN3ライセンスチームメンバー1
1.VN3ライセンスチーム
Keyword:ライセンス、法律、規約、3Dモデル、アバター、VR、VRChat

3Dモデルは著作物であるが、例えばアバター用のモデルでは、ユーザが記念写真を撮影してアップロードする場合は翻案権や公衆送信権の問題が、アバターに適した衣装データを作成する場合は翻案権の問題が生じる可能性がある。そのため、3Dモデルの配布では、適切な利用許諾を明示することが必要となる。3D用の利用規約の雛形はいくつかのものが既に発表されていたが、より使いやすい雛形が求められる状況もあった。そこで、我々VN3ライセンスチームは、実際のアバター配布・販売を想定した必要十分な内容であり、可読性に優れた利用規約の雛形を作成することで、権利者・ユーザ双方の合意が、現行の著作権法に適した形で適切になされることを目指した。結果としてVRChat向けデータ390点以上(※)に採用されるに至った。考案に際して重要だと考えた点や、普及の実態について紹介する。
※VRChatの世界(β)掲載のデータ 2021年10月末時点

B1-20:Project: V-Seed: “Scientific Revolutions” Open-narrative-recreational academic activity in a metaverse.

Dr. Christian Jonathan Angel Rueda1
1.ecoonis
Keyword:metaverse、academic、Virtual Reality

V-Seed is a project where the user (teacher or student without distinction) can create, teach and design academic activities with an open immersive playful narrative dynamic, based on the macro-concept of "Three-dimensional Immersive Digital Environments" the proposal is that it can be developed in any virtual reality virtual world platform, using didactic methodologies aimed at solving projects.

B6-22:身体部位の透明化が身体所有感錯覚の開始時間と持続時間に及ぼす効果

近藤亮太1,杉本麻樹1
1.慶應義塾大学
Keyword:VR、身体所有感、身体性

生得的でない身体が自分のものである感覚は身体所有感錯覚と呼ばれ,身体部位に対しては23秒,全身に対しては5秒で生起することが報告されている。本研究では,身体部位を透明化することで,身体所有感錯覚の開始時間と持続時間が変化するか調べた。実験では,通常アバタ,手足のないアバタ,手足のみのアバタを用いて,身体所有感,行為主体感,錯覚の開始時間及び持続時間の計測を行った。アバタの運動はモーションキャプチャで取得した被験者の動きにリアルタイムで同期し,ヘッドマウントディスプレイを通して被験者に提示された。実験の結果,アバタの面積が広いほど身体所有感と行為主体感が強くなり,持続時間が長くなることがわかった。一方で,錯覚の開始時間ではアバタ間に有意な差は見られなかった。

B3-24:科研費DBから見るVR技術の興隆及びその展望

Kuroly1
1.VRC理系集会
Keyword:VR、科研費、科学技術

バーチャルリアリティ(以下、VRと表記)は2016年から本格的没入型HMDがコンシューマ製品として複数社から商品化され、ユーザー数を着実に伸ばしており、今後もVR技術が注目されることが予想される(注)。文化・商品としての「VR」が様々な切り口で分析されることは多い一方で、科学技術としての切り口で分析されることは少ない。本発表ではKAKEN(科学研究費助成事業データベース)を使用し、審査区分や配分額等を分析することで科学技術としてのVRのこれまでの興隆、現状を分析し、それを踏まえた今後の展望を考察することを目的としている。
(注)2016年5月「VR/AR技術の将来展望」株式会社三菱総合研究所

24_紹介動画.mp4

A5-27:バーチャル空間における3D分子モデルの表現手法に関する研究

みっつ1,2、かまぼこ子3
1.SciKaleido
2.Mittsujp
3.kamabocoko

Keyword:XR、バーチャル、化学、分子、デザイン

バーチャル空間を利用した、科学を題材にしたソフトウェアやサービスが急増している。現実世界では目に見えないミクロなものに能動的に触れられるようなバーチャルな科学体験は、今後広くの人に身近なものとなると期待される。これまでに公開されているバーチャル科学コンテンツにおいて、バーチャルならではの3D分子の表現・デザイン手法の開拓についてはほとんど未開なようである。直観的に物体を扱うことができる環境において、既存の3Dソフトウェアに倣わないような、より強く感性に訴えかける表現手法の探索は、広く人に受け入れられるコンテンツ開発に必要な要素の一つであると考えられる。本発表では、バーチャル空間での3D分子モデルの表現手法探索に向けて、ユーザーに対して実施した調査について報告する。様々な表面の質感やテクスチャを付与した3D分子モデルを作成し、バーチャル空間上で印象評価を実施した結果について発表を行う。

A1-29:声帯と声道構造の性差から考える一般化可能なボイスチェンジャー設定の考察

鈴懸リノア1
1.VRアカデミア
Keyword:
ボイスチェンジャー, 両声類, VR,バ美肉 ,
音声コミュニケーション

VR コミュニケーションは姿と声を任意に変更可能であり、肉体制限を超えたコミュニケーション実現が期待される。しかし、アバター改変が広く進んでいるのに対し、変声は十分に浸透してはいない。その原因として、聞き取りやすさと表現の自由度を維持した自然な変声に高度なボイスチェンジャー技術と発声術が必要とされ、その体系化されたノウハウや理論が無い事が原因と考えられる。そこで、筆者は科学的根拠に基づいた男→女性変声法を構築するため、男女の声帯と声道構造をもとにした変声方法を検討した。組織学的性差から、声帯サイズに起因する音の高さの補填(ピッチ+12)を行い、そのうえで声道構造に由来するフォルマントを調整することで男→女性への変声ができる可能性が示された。本検討は一般化に向け今後被験者を増やす必要があるが、声帯・声道構造の性差からボイスチェンジャー設定を決定する科学的根拠に基づいた変声の基礎を提供する。



B2-33:VRにおける科学・天文教育の方法論の模索

さっきのなな1
1.VMAC:(バーチャルキャスト天文部)
Keyword:VR、教育、天文、博物館、プラネタリウム

昨今、技術の発展によりVR環境がある程度一般人でも手近なものになりつつある。それを踏まえて、VR技術を使って様々な博物館展示の新しい方法が試されいる。本研究では、VRSNS上で博物展示コンテンツを製作・公開した経験から得られた、VRにおいて特徴的な知見を紹介する。

Now, various new methods of museum exhibition are being tested using VR technology. In this research, I introduce some of the unique findings in VR through my experience creating astronomical /astrocultural /engineering exhibition contents on VRSNS.

B3-35:#XR創作大賞 から考えるスペキュラティブデザインとSF思考

Holographic
Keyword:VR、SF、
スペキュラティブデザイン

本研究では、2021年9月に受賞作が発表された「第一回XR創作大賞」の審査における考察から、SFのバックキャスト手法を用いたデザインの可能性を考察する。XR創作大賞とはXRの未来を考える文章・絵・映像・企画書などを投稿し、審査員がそれぞれのレギュレーションによって賞を授与するものであり、「あり得るかもしれない未来」を想像し社会実装に繋げる数少ない「公募」であった。そこでまず、このようなデザイン手法を用いたデザイン群の系譜を振り返る。次に審査において留意した点や課題点を検証することで、想像によって生まれた「あり得るかもしれない未来像」をいかに社会実装に活かすかを考察していく。

HolographicV学会30秒Ver.mp4

A2-5:WebXR Pseudo-haptics: Web上のバーチャル空間における疑似触覚体験

伊東 健一1
1.東京大学
Keyword:VR,ハプティクス,web

Pseudo-haptics(疑似触覚)は,ユーザの入力と視覚的な表示のずれによって生起する触錯覚である.特別な触覚デバイスを必要としないPseudo-hapticsの利点を生かして,Web上に複数のデモンストレーションが公開されている.しかし,それらの一部はAdobe Flashを使用しており,Flashのサポートが終了した2021年現在では体験困難である.筆者は,Web上でバーチャルリアリティを実現する技術標準WebXRを用いて,基本的なPseudo-hapticsを体験可能なオンラインデモを提案する.ブラウザのみで動作する点に加え,3次元のバーチャル空間で身体を使ってPseudo-hapticsを体験できる利点がある.