【景 観】千葉県木更津市と君津市の市境に位置する.木更津港から富津まで,国道16号線沿って横水路(旧海岸線と埋立地の間にあり,海岸線に平行に流れる人工水路)が続いており,この調査地は畑沢川河口との合流点に位置する.この水路はヨシ群落に覆われていることが多いが,干潟面は砂質から砂泥質である(写真1).砂質ではあるが,干潟を掘ると黒色で嫌気的である(写真2はコメツキガニが掘り起こしたもの).環境省「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」として選定されている.
写真1 国道16号 畑沢橋付近
写真2 コメツキガニが掘り起こした砂団子
【ベントスの概要】ヨシ群落に,絶滅危惧種のウモレベンケイガニ,クシテガニを少数であるが確認できる.またこの場所は潮上帯まで連続している部分があるためか,アカテガニの生息を確認できた.干潟表面には,コメツキガニ,チゴガニ,ヤマトオサガニが多く生息する(写真3).しかし,巻貝類はクリイロカワザンショウとカワザンショウのみで,ウミニナ類はみられない.また干潟内を掘返したところ,二枚貝は全く出現しなかった.ベントス出現種の詳細は,柚原ら(2013),柚原ら(2016)を参考頂ければと思う(2008年~2012年の調査結果をまとめた).
写真3 干潟表面に生息するヤマトオサガニ
(チゴガニもみえる)
【交通・アクセス】徒歩の場合JR内房線君津駅から約40分程度.自家用車では,近隣の君津緩衝緑地内に無料駐車場があるので,そこから徒歩15分程度で到着する.トイレ,水洗い場は君津緩衝緑地内で利用できる.