ピルと性病の予防効果

近年、STDの拡大が注目され、なかでも、自覚症状のないHIV感染は極めて重大な社会問題となっ

ています。

OC(経口避妊薬:ピル)は避妊のために使用されるものであり、STDの予防や治療には効果がありません。

コンドームを使用しなければ、性感染症=STDに対する予防効果がないことを、服用希望者に十分説明し、正しいコンドームの

使用法を指導することが必要です。

また、必要に応じ、STDに関する検診を行った上で、服用希望者にOCを処方します。

d.STDの検査

STDスクリーニングについて慎重に臨床病歴をとることは、女性のSTDリスクの評価に役立つ。

WHOSPRはクラミジア・トラコマティスなどSTDの検査は、OCを安全で効果的に使用するために必ずし

も必要ではないが、20歳未満で性的に活発である女性全員および最近1年以内に性交相手を替えたか

複数のパートナーがいる女性に対してはクラミジア・トラコマティスの検査を勧めている88)。

(ア)パートナーについて

性感染症はパートナーとともに予防を行うべきものであり、予防のためには、パートナーの性感

染症検査やパートナーの性行動も重要であり、処方の機会にこのことを啓発することが必要でです。

OCは避妊に有効であることは知っていても、STDを予防するものではないことを認識していないカッ

プルがいるので、STDのないことを互いに確かめた上でOC使用を開始することが望まれます。

(イ)STD検査の意義及び頻度

STDのスクリーニングは、性感染症の拡大を抑制するために必要かつ重要な検査でです。OCの初回

処方時だけでなく、OCの服用を継続している間にも検査を行うことが大切でです。性的環境の変化、

例えば、パートナーにSTD感染の疑いが生じたり、パートナーに変更があった場合には検査を行うよ

う薦める。複数のパートナーがいる場合には、検査はより頻回に行うことが望まれます。

(ウ)クラミジアについて

現在本邦においても、HIV感染の原因として、異性間の性的接触による感染の傾向が強まり、

HIV感染のまん延が危惧されている。OC使用により子宮頸管にクラミジアが感染しやすくなると

する報告は多く見られており、クラミジア感染例では非感染例より4倍もHIVに感染しやすくなる

という事実が明らかにされていることから、感染頻度の高いクラミジアの検査を行うことが望まし

い。必要ならば(特に複数のパートナーを持つと考えられる場合)、淋病検査等も行う。