三相性の低用量ピル
三相性の低用量ピルの特徴
三相性の低用量ピルの特徴
- 三相性及び二相性のピル(経口避妊薬)は、避妊効果は維持しながら副作用(破綻出血・不正出血等)を減らすために、作られました。
- エストロゲン(合成の卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(合成の黄体ホルモン)の量を段階的に変化させて、1周期あたりのホルモンの服用量を減らしています。
- 2段階、又は、3段階に、ホルモン含有量の違う錠剤を服用していて、段階型ピル・多相性ピル・漸増型ピルとも呼ばれます。
- 月経(生理)周期によって変化する女性ホルモンの分泌パターンに似せて、ホルモンが配合されています。
- 一相性のピルは、常に同じホルモン量の配合のピルなので、薬を飲む順番を間違えても大丈夫ですが、多相性(二相性及び三相性)のピルは、女性のホルモンバランスに合わせた配合をしており、薬を飲む順番が決まっています。
- ピルは、本来は月経が始まった初日から使用するのですが、週末に出血があることを防ぐために、生理開始後最初の日曜日から服用を開始する、【サンデースタートタイプ】のピルも考案されています。
- 通常は、服薬を始めてから、22日目以降、つまり、プラセボ服薬または休薬をする7日間に、消退出血が見られます。
販売されている三相性低用量ピル
販売されている三相性低用量ピル
販売されている三相性の低用量ピルには、
- トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユ、オーソ777、シンフェーズ、ノリニールがあります。
- トリキュラー、アンジュ、ラベルフィーユは、中身は同じ薬です。
- シンフェーズとノリニールも、中身は同じ薬です。
- トライディオール、リビアンは製造中止になりました。
女性の生理周期は必ずしも28日間ではないのですが、 どれも28日を一周期としています。
ピルを服用することで、女性の身体は28日周期に調整されていくのです。
トリキュラ-21(28) & アンジュ21(28)
最初の6日間をエチニルエストラジオール0.03mg日、レボノルゲストレル0.05mg日、次の5日間を各々0.04mg日、0.075mg日、後半の10日間を各々0.03mg日、0.125mg日と3段階に用量を変えています。
このピルは、中間期にエストロゲンを優位にすることで、月経周期における生理的なホルモン変動に近似していて、破綻出血が減少します。
インターネット通販で買えるトリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユ
シンフェーズT28 & ノリニール T28
エチニルエストラジオールは、毎日0.035mg、ノルエチステロンは、前半7日間と後半5日間を、1日に0.5mgとし、中9日間は、1日に1mgとしています。
これは、プロゲストーゲンの総量を低用量化しつつ、中間期での出血を防止することを目的としています。
オーソ777-21
エチニルエストラジオールは、毎日0.035mg、ノルエチステロンは、前半は0.5mg、中盤は0.75mg、後半は1mgと、7日ごとに増量しています。
つまり、前半はエストロゲン優位に、後半はプロゲストーゲン優位にする目的で、エストロゲン量を固定し、プロゲストーゲンを3段階で増量させています。
注釈
- エチニルエストラジオール⇒合成の卵胞ホルモンのことです。
- プロゲストーゲン⇒合成の黄体ホルモンのことです。
- ノルエチステロン⇒第一世代のプロゲストーゲンのことです。
- レボノルゲストレル⇒第二世代のプロゲストーゲンのことです。
3相性低用量ピルの詳細データ
3相性低用量ピルの詳細データ
- NET=ノルエチステロン(第1世代)
- LNG=レボノルゲストレル(第2世代)
- DSG=デソゲストレル(第3世代)
- EE=エチニルエストラジオール