避妊薬として認められていないピルとは

ピルは、1960年に発売されて以来、世界中の女性に愛用されてきました。

これまでに何十億人もの女性がじょうずに利用しており、その間のデータは膨大で、これほど研究されてきた薬はないと言われています。

日本では、1999年からの発売開始で、北朝鮮よりも遅かったそうです。

まだ、日本女性のピル利用率は、4~5%と言われています。

ドイツ、フランス、アメリカなどの先進国の利用率は30~60%で、特に10代後半~20代の若い女性たちは70~80%が利用していると言われています。

ところが、いわゆる低用量ピルと、まったく中身が同じなのに、『避妊目的には使えない』ピルがあるのです。

避妊のためではなく、月経痛の改善薬として、月経量を減らし貧血を改善する薬として、また子宮内膜症の治療薬として、認可されているのです。

また、月経前症候群や月経不順を治療したり、にきびの治療や、プレ更年期症状の緩和などにもとてもよく効くので、10代から40代まで、とても便利に使われています。

それが、【低用量EP配合剤】です。

  • E⇒卵胞ホルモン(エストロゲン:Estrogen)
  • P⇒黄体ホルモン(プロゲステロン:Progesterone)
  • 低用量EP配合剤=保険適応薬・健康保険が使えるので3割負担で購入できる
  • 低用量ピル=健康保険が使えないので、自費での購入になる

低用量EP配合剤は、一定量のエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)が含まれている薬です。

この2つのホルモンを同時に摂取すると、卵巣が休眠状態になって、自前のホルモン分泌を抑制。

その結果、月経量が減って痛みも少なくなります。

現在、日本で使われている低用量EP配合剤は2種類あります。

ヤーズ配合錠

海外では避妊薬として使われている薬。

月経前に精神状態が強く出るPMDD(月経前不快気分障害)を和らげる効果もある。

ルナベル配合錠LD&ULD

最もスタンダードな低用量ピルと同じ成分が配合されている薬。

月経困難症以外に、子宮内膜症に伴う月経痛にも効果が認められている。

※2012年4月1日現在

ルナベル

ルナベルは、オーソM21という、月経量をとても減らし、子宮内膜症や過多月経、子宮腺筋症、子宮内膜増殖症に効くピルを、女性たちのグループが製薬会社や大学と共同して「保険適応薬」として厚生労働省に認可してもらったピルです。

ルナベルというピル?は、日本では、避妊目的での使用は認められていません。

薬効分類名は【月経困難症治療剤】です。

ルナベルには、

  • ルナベル配合錠LD(EE=0.035mg)
  • ルナベル配合錠ULD(EE=0.02mg)

が、あります。

ノルエチステロン(合成黄体ホルモン)の1錠中の含有量は、どちらも、1mgなのですが、

エチニルエストラジオール(合成卵胞ホルモン)の含有量が、違っています。

”くすりのしおり”の

ルナベルの作用と効果について

には、

卵胞の発育を抑え排卵を抑える作用により月経時の疼痛を軽減します。

通常、月経困難症に用いられます。

避妊目的には使用できません。

と書かれています。

そもそも、低用量ピルは、でも、内膜症で苦しむ女性たちが、子宮内膜症の世界の第一選択薬である低用量ピルを、保険薬として使えるようにした功績は大きいです。

「子宮内膜症による月経困難症」の診断をされれば、医師に処方してもらってください。

健康保険が使えます。

かわりにオーソを自費で買うこともできます。

自費薬なら6か月分(6~7シート)まで処方可能です。

残念ながら、3割負担だと薬の自己負担分が2,400~2,500円と、自費のピルとほとんど変わらない値段になってしまいます。

デメリットは、ホルモンに敏感な人には、のみはじめに吐き気がしたり、頭痛や倦怠感、むくみが出ることがあること。(数日~2週間ぐらいで消えます)

それが「ピルは一度試してみたけどダメだった」と思っている人が多い原因かもしれません。

でも、ホルモンの種類やホルモンの量が変わると、楽にのめることが多いので、ぜひ別のピルもためしてみてください。

命にかかわるような(心筋梗塞など)副作用は、10万人に1人以下です。

ヤーズ

進化したピル、ヤーズは、2010年11月に発売されました。

これは、低用量の約3分の2のエストロゲン(エチニルエストラジオール)量のピルで、黄体ホルモンもこれまでのものと異なりますので、とても飲みやすいのが特徴です。

これも、月経困難症の保険適応薬として発売されました。

しかし、もともとは、諸外国で避妊用ピルとして使われている薬で、もちろんきちんと飲んでいる限り、避妊効果も高く保てます。

頭痛やむくみが少ないので、頭痛やむくみが出やすい人もいいと思います。

月経前症状(PMS)にも効きます。

発売後1年間は1シートずつしか処方できませんでしたが、2011年10月からは制限がはずれ、3シートずつ処方も可能です。

低用量ピルと呼ばれると、健康保険は適用されません。

中身自体は、低用量EP配合剤と同じで、一定量のエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲストーゲン(黄体ホルモン)が含まれています。

低用量EP配合剤と同様、月経困難症や子宮内膜症に伴う症状を改善します。

さらに、卵巣がんや子宮体がんにかかるリスクを低下させるといった「副効用」もあることがわかっており、近年ではこの副効用を目的に使う人も増えています。

でも、目的が避妊になると、健康保険は使えないのです。

治療費は医療機関によって異なりますが、薬代は1周期(1シート)2000~3000円が目安。 10種類近くの製品があるので、医師と相談をしてください。

低用量ピルと健康保険