健康保険と病院への受診履歴~会社には秘密にしたい貴女へのヒント

病院に行ったことを秘密に出来るの?

  • 産婦人科に行ったことを会社には知られたくないのですが・・・
  • 病院で健康保険を使うと診察内容は会社に知られてしまうの?
  • 会社の健康保険って、どこまで秘密がばれてしまうの?
  • 病院の受診暦は会社の健康保険組合に分かってしまうの?
  • 保険証を使って診察を受けた場合、会社には診療科まで分かるの?
  • 自分がかかった病院を、家族や会社には知られたくないのですが、受診履歴、通知などはやはり来てしまうの?
  • 健康保険証を利用し、診察を受けた場合、履歴は会社が知る事ができるの?
  • 会社勤務で社会保険に入っていますが、どの日にどの病院に行ったか、会社にはわかるの?
  • 健康保険証には会社名と会社の健康保険組合名が書かれているけど、何日、どのクリニックで受診したかは、会社に知られてしまうの?
  • 保険証を使って受診すると、診断の結果や処方された薬まで会社に分かってしまうの?
  • 受診した科が分からないようにしてくれる病院は無いの?


貴女の悩み解決のキーワードは、『レセプト』です


レセプトとは


医療機関が健康保険組合(保険者=ほけんじゃ)に医療費を請求するために、患者に対して行った処置や、使用した薬剤などを記載した明細書のことです。

つまり、
【患者=貴女】が受けた診療について、
【医療機関=あなたが行った病院やクリニック】が、健康保険組合等の
【公的医療保険の運営者=保険者】に請求する医療費の明細書のことです。

診療報酬点数は、診療行為ごとに決められており、医療機関はこの点数を合算して、保険者に医療費を請求します。
入院・外来・歯科・調剤の4種類があります。

レセプトは
  • 医科・歯科の場合には『診療報酬明細書
  • 薬局における調剤の場合には『調剤報酬明細書
と呼ばれます。
レセプトは、医療機関が、被保険者毎に、月単位で作成することになっています。

レセプトの内容・中身


レセプトには

いつ、だれが、どこで、どんな診察で、どんな診断を下され、どんな治療をされ、いくらかかったかが、書かれています。
しかも、
もしも、貴女の健康保険に扶養者が含まれていれば、その人の医療情報も、記載されます。
また、貴女が家族の誰かの健康保険を使っているなら(貴女が扶養されている人=被扶養者)、保険の持ち主のレセプトに、貴女の医療情報が記載されます。

つまり、『家族に知られてしまう』と言うわけです。

  • 個人情報=患者である貴女の氏名・性別・生年月日
  • 健康保険加入情報=貴女が加入している健康保険の名前(保険者名:ほけんじゃめい)・被保険者証の記号・番号
  • 医療機関情報=受診した病院の名前・診療科・医師の名前・所在地・電話番号
  • 診察内容に関する情報=病名・診察日・投薬名・処置の内容・検査名等
  • 医療費情報=薬剤・処置・検査・診断等の各種金額(費用・点数)
等が記載されています。
発行する医療機関により、書き方に多少の違いはあります。


診療報酬


診療報酬(しんりょうほうしゅう:Health care fee)とは、保険診療の際に医療行為等の対価として計算される報酬を指します。
診療報酬は、【医師の収入・報酬】ではなく、医療行為を行った医療機関や薬局の医業収入の全てを含めたものです。

医業収入には、医師(または歯科医師)や看護師、その他の医療従事者の医療行為に対する対価である技術料、薬剤師の調剤行為に対する調剤技術料、処方された薬剤の薬剤費、使用された医療材料費、医療行為に伴って行われた検査費用などが含まれます。

日本の保険診療の場合、診療報酬点数表に基づいて計算され点数で表現されます。
患者はこの一部を窓口で支払い(自己負担)、残りは公的医療保険で支払われます。
保険を適用しない自由診療の場合の医療費は、診療報酬点数に規定されず、患者が全額を負担します。



レセプト(診療報酬明細書)の内容は会社に知られてしまうの?


貴女が、健康保険を使って病院やクリニックに受診した場合、診療をした医療機関は、保険者に保険請求をします。
何故なら、貴女からは3割分の金額しかもらっていないから、『残りの7割をちょうだい』と、言うわけですね。

会社員の場合、保険者は健康保険組合になると思います。

大きな会社なら、自前の健康保険組合だし、中小企業なら、政管健保ですね。
貴女の持っている健康保険証を見れば、書いてあるはずです。

健康保険組合は、残りの7割を支払う義務があるので、保険請求担当者は、何にいくらかかったのかを、レセプトで確認するのです。
ということは

貴女がどこかの産婦人科で診察を受け、月経困難症と診断され、ルナベルを処方されれば、全て知られることになります。

貴女の健康保険に扶養者がいれば、その人の医療情報が、
貴女が、誰かの健康保険の被扶養者なら、その人にあなたの医療情報が

知られてしまうことになります。



政府管掌健康保険(せいふかんしょうけんこうほけん)

自力では健康保険組合を作ることができない規模の企業で働くサラリーマンは、
社会保険庁が運営する政府管掌健康保険に加入することになっています。
略して、政管健保と呼びます。


レセプト担当者は誰?


健康保険組合員(貴女のことです)が、健康保険を使用すると、約1~3ヶ月後には、保険組合にレセプトが送られて来ます。

レセプト担当者は、被保険者が本当に病院等へ受診されているかの確認作業をします。
何故なら、【あなたが診療を受けた際に支払った個人負担分を除いた金額】を、支払うためです。
診療内容と請求が正しいかどうかを調べずないで、医療費を支払うことはありません。

ですから、貴女の診療内容は、保険組合には知られてしまいます。
健康保険を使うなら、仕方のないことです。

大企業の場合


大きな会社の場合、自前の健康保険組合を持っていることも、珍しくありません。

本来、会社と健康保険組合は独立した関係です。
健康保険組合が把握している貴女の情報が、人事課や総務課に知られることは、通常ありえません。 

しかし、健康保険組合の事務部門には、本社からの社員が出向していることも多いと思います。
守秘義務があるし、よほど、貴女に興味がない限り、いちいち気にしていないと思いますけど、知られる可能性があることに変わりはありません。

中小企業の場合


自力では健康保険組合を作ることが出来ない規模の会社の会社員は、社会保険庁が運営する政府管掌健康保険に加入することになっています。

政管健保の場合、普通は社会保険事務所が事務を行います。
この場合、病院からの請求内容が企業に報告されることはありません。

いずれにしても、

健康保険担当者は、他人のプライバシーを知る立場にあるので、守秘義務があります。
でもね・・・

でも、世の中には口の軽い人がいます。
まじめな人ばかりではありません。
貴女のことを嫌いな人も、いるかもしれません。 


レセプトの行き先:健康保険の種類別


医療機関は、作成したレセプトを
  • 国民健康保険なら
    ⇒都道府県毎に設立されている国民健康保険団体連合会
    『診療明細書』は、直接貴女の元に届きます。
  • 社会保険なら
    社会保険診療報酬支払基金
    『診療明細書』は、会社経由で、貴女に届きます。
に送ります。

その後、それぞれの機関での審査を経由して保険者に送られ、最終的に貴女の手元に届きます。

社会保険:中小企業


政府管掌の健康保険の場合、通常は、社会保険事務所が事務を行います。
社会保険事務局からは、「医療費のお知らせ」という文書が、会社に届きます。

このお知らせは、健康保険が正しく適用されているかを、本人が確認するための文書です。
中には、医院・病院で治療を受けた年月日や費用、薬局での薬代等が記載されています。

封印されたまま貴女宛に渡され、会社が開封するようなことはありません。
会社が健康保険組合に問い合わせたとしても、個人情報なので、教えてはもらえません。

社会保険:大企業


大手企業だと、グループ内に健康保険組合を作っていて、事務部門のスタッフも、本社からの出向が多いでしょう。
モラルのない人によって、貴女の情報が漏れる可能性が、ゼロとは言えません。

国民健康保険

国民健康保険の場合、貴女の住まいの都道府県に設立されている、国民健康保険団体連合会から、
『診療明細書』が直接届きます。
貴女は会社員ではないので、知られる心配はありません。

レセプトを見たいなら・・・

2010年4月以降、厚生労働省によって、医療費の内容がわかる領収書、及び、個別の診療報酬の算定額がわかる『診療明細書』を、すべての患者に発行することが、保険医療機関と保険薬局に義務付けられました。

それ以前は、貴女に行われた検査や処置等の診療内容と、診療報酬(医療費の単価)は、医療機関と保険運営者だけが知っていたのです。
つまり、貴女が受けた診療なのに、何にいくらかかったのかを、貴女は知ることが出来なかったのです。
  • 貴女が加入している保険者に請求すれば、『診療報酬明細書:レセプト』が発行されます。
    ⇒医療機関から保険者宛のものなので”報酬”の文字が付く。
    同じものを会社の健康保険担当者が見ていると思ってください。
  • 貴女が受診した病院・クリニックに請求すれば、『診療明細書』が発行されます。
    ⇒医療機関から貴女宛のものなので、”報酬”の文字は付かない。
どちらも、中身は同じと思ってください。