女性ホルモンについて
2つの女性ホルモン
女性ホルモンとよばれるのは
- 卵胞ホルモン:Estrogen(エストロゲン・エストロジェン)
- 黄体ホルモン:Progesterone(プロゲステロン・プロジェステロン)
ヒトの身体の働きを調整するホルモンは、全部で40種類以上ありますが、女性ホルモンと呼ばれるのは、2種類だけです。
女性ホルモンは、女性が妊娠、出産のできる身体を作るために、脳が指令を出し、卵巣で作られます。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン) という2つの女性ホルモンは、一定の周期でそれぞれの分泌量のバランスを変えながら、女性のカラダと心に作用しています。
脳からの指令で分泌される女性ホルモン
女性ホルモンの分泌をつかさどっているのは大脳です。
脳にある視床下部と下垂体が女性ホルモンをコントロールする司令塔になります。
視床下部⇒脳下垂体⇒卵巣というメカニズムで女性ホルモンは分泌されます。
- 間脳にある視床下部からGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)が分泌される
- GnRHは、脳下垂体を刺激する
- GnRHの刺激を受けた脳下垂体から、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)が分泌される
- FSHとLHは卵巣を刺激し、ホルモンを分泌するよう指令がでる
- 卵巣が働き、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される
月経のメカニズムと女性ホルモンの働き
- 脳下垂体から、性腺刺激ホルモンの卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌される
- 卵胞刺激ホルモン(FSH)が卵巣に届くと、卵巣のなかにある原始卵胞を刺激し、そのうちのひとつが成長をはじめる
- 発育した卵胞から、卵胞ホルモン(エストラジオール)が分泌され、これが子宮内膜に働きかけて、徐々に内膜を厚くしていく
- 卵胞ホルモン(エストラジオール)の分泌量がピークに達すると、下垂体から黄体化ホルモン(LH)が分泌される
- 黄体化ホルモン(LH)が卵巣に届くと、成熟した卵胞は刺激され、なかの卵子が飛び出す⇒これが排卵です。
- 排卵後、卵子が出ていった卵胞は黄体というものに変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を多量に分泌しはじめる
- このとき、卵胞ホルモン(エストラジオール)も少量だが分泌される
- 黄体ホルモン(プロゲステロン)は、子宮内膜に働きかけ、受精卵がいつでも着床できるよう、準備をする
- 受精が成立しないと、黄体ホルモン(プロゲステロン)と卵胞ホルモン(エストラジオール)の量は激減し、子宮内膜もはがれ、経血となってカラダの外に出て行く
女性ホルモンの乱れ
脳と女性ホルモン
卵巣からのホルモン分泌量は、常に脳がチェックしていて、減ってくれば増やすように、増えると減らすように、指令を出しています。
2つのホルモンのバランスが正しければ、基礎体温はきれいな二相曲線を描き、生理、妊娠、出産などが出来ます。
基礎体温を測ると、女性ホルモンが正常に分泌されているかどうかが、判ります。
健康的で、規則正しく、ストレスを溜め込まない生活が、体内の女性ホルモンのバランスを維持します。
ところが、司令役の視床下部は、ストレスの影響を受けやすく、ホルモン分泌のバランスが狂うと、生理の状態や体調にも影響が出てしまいます。
女性ホルモンと心身への影響
『ホルモンのバランスが乱れている』とは、女性ホルモンが順調に分泌されていない状態のことです。
視床下部・脳下垂体・卵巣という器官の中で、どこが原因でホルモンの分泌が悪いのかは、血液検査でわかります。
それぞれの気管内の、血中に含まれるホルモン量の減り方や増え方を調べます。
大脳がストレスを感じると、ホルモンの分泌が乱れ、自律神経のバランスが狂い、心身の状態も悪くなります。
- 女性ホルモンがスムーズに分泌されない
- 卵巣の働きが落ちてきて女性ホルモンの分泌量が減る
- 視床下部は女性ホルモンを分泌させようとフル回転する
- 心身に負担がかかる
- 自律神経まで乱れてくる
- 頭痛・めまい・のぼせ・冷え・イライラなどにみまわれる
また、女性ホルモンが乱れると、起りやすいのが、月経不順(生理不順)や無月経です。
月経不順や無月経が続くときは、ホルモン分泌の調子が悪くなっている可能性が高いのです。
婦人科に相談するのも大事ですよ。
ストレス・疲労・無理なダイエットとホルモンのバランス
ホルモン分泌の中枢を司る脳の視床下部は、心の影響を受けやすいのです。
~ストレスを受けると ホルモンの分泌量に影響を与えたり、生理の周期が乱れたりします。
女性ホルモンは、身体の栄養状態にも影響されます。
~無理なダイエットによる急激な体重の減少は、生理トラブルうを起こす可能性があります。
ストレスや過度の疲労は脳からの指令を狂わせ、卵巣の動きが低下し、女性ホルモンの分泌が悪くなります。
~生理不順になったり、血行、筋肉、関節、自律神経系、免疫系に支障が生じることで、冷え、痛み、イライラ、疲れやすい、肌荒れ、風邪をひきやすいなどの要因になります。