ピルのデメリット・短所

デメリットは?年間10万人当たり約25人の割合で血栓(静脈血栓塞栓症)を生じるリスクがある。

ほかにマイナートラブルとして、のみ始めに吐き気や不正性器出血が起こることがある。

低用量ピルにはデメリットもあります。

血の塊である血栓が血管に詰まる「静脈血栓塞栓症」の発生リスクがわずかながら高まることです。

妊娠中に自然に起こる血栓のリスクが年間10万人当たり60人なのに対し、低用量ピルのそれは10万人当たり25人程度。

必ずしも高いリスクではないものの、注意を要します。そのため血栓が生じやすい喫煙者は低用量ピルを使用できません。

「血栓が生じるのは多くの場合、使用開始から4カ月以内。

その間に脚に痛みを感じた場合はすぐに主治医に相談することが重要」と百枝部長。

低用量ピルは卵巣を休眠させ

女性ホルモンの分泌を抑える

脳から出る指令ホルモンの分泌が抑えられる

薬として外からエストロゲンとプロゲステロンを補うと、脳の下垂体から卵巣へ指令を伝えるFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の分泌が抑えられる。

ピルをのむと自前のホルモンの分泌は抑えられるが、薬でホルモンを補っているので、自前のホルモンが出ている人と同じように骨や血管などは保護される。

排卵がストップする

FSHとLHが卵巣を刺激しなくなると、卵子を包む卵胞という袋の発育が途中で止まって排卵しなくなる。そのため性交渉があっても精子と卵子が出会わず、妊娠が成立しない。

子宮内膜を薄く保つ

排卵が止まると子宮内膜が厚くならず、万一受精卵ができても着床しにくくなる。休薬期間に起こる出血の量や、痛みを感知する神経の増殖も抑えられるので月経痛が軽くなる。

2005年改訂の日本産婦人科学会編「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によると、低用量ピルの服用者では非服用者と比べ乳がんリスクの増加は認められず、家族歴、服用期間、服用開始年齢、ホルモンの量や種類による乳がんリスクが高まる可能性は「小さい」としています。これまで乳がんの家系だからと低用量ピルの服用を控えていた方にとっては「?」という結果です。しかし、各製薬メーカーから出されている製品の添付文書を読むと「乳がんの家族歴、または乳房に結節のある女性」には慎重投与となっています。乳がんはエストロゲン依存性のがんなので、エストロゲンの含有量を最小限に抑えた低用量ピルといえども因果関係がまったく無いとは言い切れません。低用量ピルの服用を始めたら、必ず1年に1回、乳がん検診を受けましょう。

子宮頸がんは子宮が膣に向かって細くなった、首の部分にできるがんです。これまでの研究で子宮頸がんの発症誘因がヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症であることがわかってきました。感染により異常な細胞が増殖し、さらに喫煙やストレスが追い打ちをかけるとがん化すると推測されています。低用量ピル服用者については、5年未満の服用歴ではリスクの増加はわずかですが、10年後ではリスクが2倍に増加するという報告があります。いずれにしても定期的に子宮頸がんのスクリーニング検査を受けましょう。

低用量ピルの重大な副作用はなんといっても血栓症です。血栓症リスクの増加は服用開始後4カ月以内に認められ、中止後3カ月以内に元に戻ります。美肌効果で注目されている第3世代の低用量ピルは第1、第2世代よりも血栓症リスクが2倍になるとされています。血栓症や心臓病の家族歴や既往歴がある場合はよく医師と相談してください。