銀の天水桶

天水桶とは雨水を一時保管する容器である．

雨樋から天水桶に溜めた水は，底の蛇口からジョウロなどに注ぎ，庭木の水や中水として利用される．

ここでは，天からの水を再利用するために工業製品を再利用した．ステンレスは屋外での耐久性に富み，落ち葉やゴミが中に溜まっても容易に掃除できる．容積も十分．最初から蓋も取手もある．蛇口は樹脂のアタッチメントで取付けられ，用途に合わせて形状を変更できる．ほんの少し手を加えるだけで，ジュースの業務缶は天水桶へと生まれ変わる．

全てのものは形を変えて地球を循環する．水も空気も工業製品も，環境の中を血液のように巡る．銀の天水桶が我々に見せるのは，水と工業製品の循環の風景である．

展覧会名：第1回産廃サミット

主催：株式会社ナカダイ

会場：多摩美術大学

担当：藤野高志 町田貴宏

設計期間：

展示期間：2011.09.23

素材：ステンレス缶