鹿手袋の長屋

展覧会名：新しい建築の楽しさ2013

主催：AGC studio

企画：中﨑隆司

会場：AGC studio 1F gallery

担当：藤野高志 郡司絵美 石森大道 根岸陽

設計期間：2013.07 - 2013.09

展示期間：2013.09.07 - 2013.09.15

素材：動画 模型

この世界には，光や風や音が絶えず流れ続けている．建築はその流れに秩序を与える．例えば日陰，静けさ，風の溜まり，風景の切取り．ここでは，流れと秩序が一体となった都市の縮図のような建築を目指した．施主の要望は，集まって暮らす豊かさを感じられる賃貸集合住宅．敷地は閑静な住宅地にあり，２階建てと３階建ての３つの棟で構成される．そこに床面積１９㎡から８９㎡までの１４戸が入る．格子状に外部空間が貫入することで，建物の内側に光が導かれ，風が抜け，視線が通る．片流れの屋根勾配は，路地に個性を与える．様々な高さのテラスは各戸の専有なので，住人は自分の領域を自覚でき，安心して生活を外部に拡げることができる．こうして無機質なコンクリートの建物の外観に，各戸の雰囲気が滲み出す．町にこの建物が建つことで，隣に暮らす人々を，木々や天気や町並みなどの風景の一部と感じ，自然現象のようにお互いの気配を楽しめればいい．